畑の未来は自分たちで創る!#
「スマート農業」という言葉に、どんなイメージをお持ちですか? AIやドローンが活躍する最先端の農業は、とても魅力的ですが、同時に「自分には少し遠い世界の話かも…」と感じる方も少なくないかもしれません。
特に、日本の農業を力強く支える小規模な農家さんたちにとって、何百万円もするような高価なシステムは、導入のハードルが高いのが現実です。このままでは、新しい技術の恩恵が一部にしか届かず、地域全体の農業の活力が失われてしまうかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか? もし、高価なシステムを買うのではなく、自分たちの手で、安くて、簡単に、本当に必要なものだけを作れるとしたら?
私たちは、そんな「あったらいいな」を形にするための挑戦を、ここから始めます。 その名も、「DIYスマート農業」プロジェクトです。
なければ、作ればいい!身近な技術が、未来の扉を開く#
私たちのプロジェクトは、とてもシンプルな発想に基づいています。
「高価で複雑なシステムが導入できないなら、みんなで作れるものを作ればいい!」
「でも、電子工作やプログラミングなんて、なんだか難しそう…」
そう思った方も、どうかご安心ください。時代は変わり、今や私たちには**生成AI(ジェネレーティブAI)**という、とても賢くて親切なサポーターがいます。🤖
専門的なプログラムのコードを代わりに書いてもらったり、「この部品はどうやって使うの?」と質問したり、うまくいかない時のエラーの原因を一緒に考えてもらったり。まるで、24時間いつでも相談に乗ってくれる専門家が、すぐ隣にいてくれるようなものです。
このAIの進化のおかげで、「やってみたい」という気持ちさえあれば、誰もが気軽にものづくりに挑戦できる時代が、本当にやってきたのです。
センサーを校正#
開発するIoTシステムでは、正確なデータ収集を行いたいですよね。温湿度センサーの校正には、伝統的な計測技術を活用することができます。

アスマン通風乾湿計は、強制通風により温湿度を高精度で測定する機器です。私たちは、この伝統的な計測技術と最新のデジタルセンサーを組み合わせることで、低コストでありながら高精度なセンサーシステムの開発を目指しています。
DIY自動潅水システムの開発#
私たちが最初に開発を目指すのは**「ビニールハウス環境監視システム」**です。 ハウス内の温度と湿度をセンサーが24時間見守り、異常があれば農家さんのスマートフォンに通知が届く。そんな仕組みを、なるべく安い材料費で実現することを目指します。

安価なコンピューター(マイコンボード)やセンサーを組み合わせ、農家さんの「ちょっと困った」を解決するツールの開発を進めています。このシステムが完成すれば、「安心して外出できるようになった」「勘だけに頼らず、データを見て判断できるから心強い」…そんな農家さんの笑顔が生まれる未来を、私たちは想像しています。
作る「コト」が、未来の「タネ」になる#
このプロジェクトで私たちが目指すのは、単に便利な道具を作ることだけではありません。「自分たちで作る」というプロセスそのものに、地域の未来を豊かにする大きな可能性があると信じています。
1. 自信と主体性を育む#
「買わされた」機械ではなく、「自分で作った」道具には、きっと愛着が湧くはずです。仕組みを理解することで、「もっとこうしたい」という改善のアイデアも生まれるでしょう。私たちは、テクノロジーを単に「使う」だけでなく、誰もが「使いこなす」主体性を育む場を創ります。
2. 新しい「つながり」を創出する#
「作り方を教えて!」「うちの畑でも試したい!」そんな声が集まれば、自然とワークショップが生まれるでしょう。ベテラン農家の知恵と、若者のITスキルが交わることで、世代を超えた新しいコミュニケーションが始まるはずです。この「つながり」こそ、地域にとって何よりの財産になると信じています。
3. 持続可能な地域(まち)づくりへ#
この挑戦は、SDGsの目標**「8. 働きがいも経済成長も」や「11. 住み続けられるまちづくりを」**に直結します。低コストで農業の生産性を上げ、誰もが農業に挑戦しやすい環境を整える。それは、この街に人が住み、働き、暮らし続けられる未来そのものをデザインすることに他なりません。
研究成果と今後の展望#
主な成果#
- IoTセンサーキットの開発: 高校生でも組み立て可能な自動潅水システム
- 生成AI活用型開発手法の確立: プログラミング初心者でも参加できるワークショップ手法
現在のテーマ#
- 低コストセンサーシステムの最適化: より精度の高い環境監視システムの開発
- 地域コミュニティとの連携強化: 農家さんのニーズに応じたカスタマイズ技術
社会への貢献#
この技術が普及すれば、地域の農業がより持続可能で魅力的なものになり、次世代の担い手育成にもつながります。私たちは、技術の民主化を通じて、すべての人が農業イノベーションに参加できる未来を目指しています。
さあ、この挑戦の「最初の仲間」になりませんか?#
私たちのプロジェクトは、今、まさにスタートラインに立ったところです。 これから、農家さんの声を聞きながら、土壌の水分センサーや、簡易的な自動水やり装置など、本当に必要とされるツールの開発を進めていきます。
農家さんはもちろん、プログラミングや電子工作が好きな方、地域づくりに関心のある学生さん、退職後の生きがいを探している方…。専門知識や経験は問いません。「自分たちの未来を、自分たちで面白くしたい」という想いを持つ、すべての方がこのプロジェクトの主役です。
関連情報#
- 研究業績 - 詳細な研究データと論文
- メンバーと研究 - 日々の研究活動の様子
- 漫画deブログ: 研究紹介 - 栽培施設学研究室の研究概要