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【クイズ】45℃のお湯につけた葉っぱは、どうなる?

4 分· ·
研究技術 クロロフィル蛍光 光合成 オープンキャンパス 高校生向け
Uzuki-lab
著者
Uzuki-lab
栽培施設学・植物生体情報センシング・DIYスマート農業。先端技術で持続可能な農業の未来を創造し、漫画deブログで発信中。
目次

いま、葉っぱは目を閉じています
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机の上で、葉っぱにアルミホイルのカバーがかぶさっていますね。

あれで葉っぱを真っ暗にして、光合成の準備をいったんリセットしている時間です(暗順応といいます)。数分かかります。その間に、これから測る数字の話を読んでみてください。

アルミホイルを巻かれて暗順応中のコマツナの葉
農学部の学生実験でも同じことをします。ホイルの帽子の下で、葉が数分間じっとしています

【クイズ】お風呂より熱い45℃
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お風呂より熱い45℃のお湯に、コマツナの葉を5分間つけました。

この葉の「光合成の元気度」は、どうなっていると思いますか?

  1. ちょっと下がる
  2. ほとんど変わらない
  3. びっくりするほど下がる

顔を上げる前に、心の中でひとつ選んでおいてください。


机の上の装置が測っているもの
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いま使っているのは JUNIOR-PAM という、クロロフィル蛍光を測る装置です。スマホぐらいの大きさなのに、50万円以上します。

対照・高温・乾燥の3条件のコマツナと、緑色のJUNIOR-PAM本体
学生実験での実験台。ビーカーには「対照」「高温」「乾燥」のラベル。右下の緑と白の箱がJUNIOR-PAM本体で、細い光ファイバーを葉に当てて測ります

この装置が捉えているのは、葉っぱが出している**目に見えないほどかすかな光(蛍光)**です。

葉っぱが吸い込んだ光エネルギーの行き先は、大きく3つに分かれます。

  • 光合成に使う(ほとんどはこれ)
  • として逃がす
  • 蛍光として光り返す(ごくわずか。装置が測るのはこれ)

この3つはシーソーのようにバランスを取り合っていて、光合成がうまく回らなくなると、その分だけ蛍光が増えます。だから、かすかな蛍光を測るだけで、葉っぱを1枚もちぎらずに光合成の調子がわかるのです。

うづきむが葉に光ファイバーを当ててクロロフィル蛍光を測っているイラスト
やっていることを絵にすると、こうなります。葉に光を当て、返ってくるかすかな蛍光を読み取るだけ。葉はちぎりません(測っているのは当研究室のキャラクター「うづきむ」です)

Fv/Fm = 光合成の「最大能力」
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暗順応させた葉に、まずごく弱い光を当てて蛍光を測ります(Fo)。続いて、まぶしい光を一瞬だけ浴びせて、そのとき出る最大の蛍光を測ります(Fm)。

この2つから計算する Fv/Fm が、光合成の最大能力を表す数字です。

数字の読み方
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Fv/Fm葉っぱの状態
0.8 前後健康。光合成の準備は万全
0.6 〜 0.7乾燥ぎみなど、何かストレスを受けている
それより低い光合成の仕組みそのものが傷んでいる

見た目にはまだ青々としている葉でも、この数字は先に下がります。人間でいえば体温計のようなもので、顔色ではわからない不調を数字が先に教えてくれるのです。

だからクイズの葉も、見た目だけで判断すると、たぶん外れます。


答え合わせは、目の前の装置で
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さて、クイズの正解は――ここには書きません

このクイズは、岩手大学農学部の3年生が受ける実験(食産業システム学実験II)でも出しています。ここで答えを書いてしまうと、これから実験する学生の楽しみを奪ってしまうので、正解は伏せておきます。

かわりに、あなたの目の前に装置があります。

①②③のどれかを決めたら、顔を上げてスタッフに声をかけてください。ホイルを外して測れば、数秒で数字が出ます。上の表と見比べれば、その葉っぱが元気なのかどうか、自分で判定できます。

予想は当たっていましたか?


もっと知りたくなった人へ
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私たちの研究室(栽培施設学研究室)では、植物が言葉にできない「調子」を、光や水の動きから読み取る研究をしています。今日の数字も、その入り口のひとつです。

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